気まぐれな会話――1863年
ロッカーズの噂を聞いたことはあるか?
時を超える不思議なロッカールームを持つ、遥か未来の会社。それがロッカーズだ。トワイライト・ゾーンみたいでサイコーにクールだろ? ……ああ、この時代の人はまだ、このドラマ知らないんだっけな。
ま、とにかくさ、そういうSFチックな噂があるんだよ。でもその噂、本当のことなんだ。
その会社があるのは西暦2500年代。会社内のロッカールームには、1320とか2013だとか、そんなふうに年数のふられた金属のロッカーがあってな。ふられた年数ごとに、時を超えその年に通じているんだ。
ロッカーを開けると、まずは人ひとりがやっと通れるくらいの幅の物置になっていて、物が乱雑に並べられてる。社員はそこでその年代の服装に着替えるんだ――なんでかって? もちろん、その年代の人々に溶け込むためさ。そしてそのさらに奥の扉を開け、その時代に行くんだ。
仕事内容は――例えば、その年に紛失されてしまう芸術作品や歴史遺産を探し出して回収するとか、歴史の真実を確認して記録するとか、その年に失踪した人物の行方を調査するとか……ま、いろいろだ。危険がつきものだし、ラクな仕事じゃあない。
お、察しが良いね。そう、実を言うとこのオレも社員なんだ。まだまだ入社したての下っ端だけどな。
オレ? オレはジェシー。今年16になるんだけど、大人っぽく見えてた? えええやっぱり同年代ってわかってた? うーんこの時代の大人のカッコしてるはずなんだけどなあ。
――そんな会社の秘密を喋って良いのかって?
ホントはその時代の人に教えちゃいけないことだよ。でもどうしてぺらぺら喋ったと思う?
どうせオレがこの時代から去れば、あんたの中からオレに関しての記憶が消えるからだよ。
じゃあな、楽しかったよ。バイ。